きみがためをしからざりしいのちさへ

アイドルと媒体 個人的所感

ピカンチハーフ覚え書き

ピカンチは「青春」、ピカンチダブルは「維持と別離」、ではピカンチハーフは?青春と現実の間にあるものって何だろう。答えは「理想」。青春を維持しようとした10代、別れを告げようとした20代を通って、30代の彼らは理想を届けようとしている。

青春に、年齢なんて関係ねぇ。


ピカンチで最も象徴的な役割を果たす屋形船。嫌な大人に尻を向けた10代、嫌々なった20代、受け入れた30代。それじゃ終わらないのがピカンチだった。

誰にでも青春時代がある。他人に迷惑をかけ、くだらないことで傷ついたモラトリアムがある。嵐はずっと楽曲で、パフォーマンスで、みんなの青春を肯定し受け入れて共感してきた。そして今回のピカンチハーフで、屋形船に乗った。屋形船に乗ったら、青春は終わりだと思っていた。でもそうじゃない。屋形船に乗ったって、子どもができたって国民的なアイドルになったって、嵐さんたちは青春を続けていく。青春は無鉄砲になることじゃない、消費することじゃない、終わるものじゃない。終わりなんて誰が決めた。完結なんかしない、満足なんかしない。まさにハーフだ。未完成だ。理想の青春時代。

青春に、年齢なんて関係ねぇ。終わりは誰かが勝手に決めてるだけだ。


15周年記念の今年、嵐はなにも記念になるものを作らなかった。翔くんはデジタリアンのメイキングで、それを「これからも続いていくっていう意識の表れ」だといった。空白を作るのは嵐さんの得意技。空白に私たちはメッセージを読み取り、共感し、それぞれの理想を見る。「たぶん」に込められた不安定な理想は、今でも完璧だ。


LIFE IS HARD たぶん HAPPY